眼科の業界動向とWeb活用について解説

更新日：2025年5月

デジタル化が急速に進む現代では、パソコンやスマートフォンを通じて情報を手に入れることが当たり前になりました。このような社会の変化の中で、眼科の市場規模はどのような動きを見せているのでしょうか。
眼科医院の現状をより深く理解していただくために、まずは市場の動向や抱えている課題について解説いたします。その上で、患者さまのニーズが多様化している現代においても、Webを効果的に活用して来院数を増やすための重要なポイントをご紹介します。もしWebの活用にまだためらいを感じている眼科医院さまがいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしてください。

眼科の動向

眼科の動向を市場規模と利用者構造の2つの視点から簡単に確認してみましょう。

市場規模の変化

厚生労働省保険局調査課による令和４年度医科診療所の主たる診療科別の医療費等の状況によると、眼科の医療費は2017年度の7,679億円から2022年度には8,609億円へと増加傾向にあります。
また、眼科領域の再生医療も近年注目されていて、角膜や網膜の再生による視力回復や眼の病気の新しい治療法の確立も期待されています。
出典：令和４年度医科診療所の主たる診療科別の医療費等の状況

利用者構造の変化

一般的に加齢に伴って眼科疾患の患者数は増加する傾向がありますが、糖尿病網膜症などの成人病に伴う眼疾患も多くあります。
また、パソコンやスマートフォンの普及により、VDT作業（ディスプレイやキーボードなどの情報機器を用いた作業）による眼の負担が年々増加しているため、高度な専門性を要する眼科医療は、AIが進化する時代においても重要性は揺るぎないものと言えるでしょう。

眼科業界の課題と将来性

現代社会におけるデジタル化の進展と高齢化の波は、眼科業界に大きな影響を与えています。市場規模は拡大傾向にあるものの、その一方でこれまでにはなかった課題も顕在化してきています。
ここでは、眼科医療を取り巻く環境がどのように変化しているのか、そして特に目を向けるべき課題は何なのかを掘り下げていきましょう。

Web需要の高まりによる眼科受診ニーズの変化

新型コロナウイルス感染症への不安は徐々に薄れ、受診控えは緩和されつつあるものの、患者さまの行動には変化が見られます。
以前にも増してオンライン（WebサイトやSNS）での情報収集が増加し、自己判断で症状が悪化するまで受診を控えてしまったり、定期的な通院を避けて症状がある時のみ受診したりというケースも見られるため、初期症状がわかりにくい緑内障患者や重症化リスクのある患者さまに必要な受診を促す工夫が求められます。

コンタクトレンズ販売に伴う処方箋の必要性の変化

コンタクトレンズ販売における眼科受診のニーズも、年々高まってきています。
薬機法（医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律）上では、高度管理医療機器であるコンタクトレンズには購入時に処方箋を提出する義務はないので、近年は処方箋なし・Webで簡潔できるという強みでコンタクトレンズを販売するケースも増えてきました。
しかし、処方箋なしでコンタクトレンズを使い続けると健康被害が出てしまう可能性もあるため、処方箋に基づいた販売が推奨されており、今後もコンタクトレンズ販売に伴った眼科受診のニーズは続いていくと言えます。

眼科のWeb集客を強化するポイント

現代のデジタル化の流れは加速しており、眼科医院が患者さまとよりスムーズにつながり、来院につなげるためには、Webを活用した効果的な集客戦略がますます重要になっています。ここでは3つのポイントに焦点を当て、活用方法を解説します。

Webサイト活用による外来の効率化

今より集客を強化して、より多くの患者さまに対応したいと考えていても、そもそも対応できるリソースが足りないという医院さまも多いのではないでしょうか。
そんな時は、Webを活用して集客をしながら外来の効率化もめざしましょう。
例えば、患者さま向けの説明をWebサイトに掲載することは、効率化と治療への理解度向上につながります。また、Webサイトで診療時間の変更や休診日などの情報、気になる症状別の情報などを分かりやすく発信する工夫をするのもおすすめです。この際、質の高いデザインを採用することで、患者さまにとって見やすく、興味を惹きつけられるだけでなく、安心感や親しみやすさも感じてもらうことができます。
また、オンライン予約システムや電子カルテといったDXの導入も外来の効率化施策の一つです。これにより患者さまの利便性が向上し、眼科クリニックの業務効率も改善が期待できますよ。

SNSや動画コンテンツも活用した導線の設計

コロナ禍を契機に、デジタル化を進める眼科クリニックが急増し、患者さまへのアプローチ手段としてSNSなどを活用する動きも広がっています。中でもホームページは、クリニックから患者さまへ情報を発信しやすく、ゼロからSNSを始めるよりもハードルが低い手段と言えます。
もちろんホームページでの発信以外にも、LINE、Instagram、YouTubeといった多様な媒体を効果的に活用していくことも重要です。特に動画での説明は、より分かりやすく情報を伝えるのに有効な手段にもかかわらず、まだ活用し切れていないのが現状です。病気の説明や手術の流れなどを動画でWebサイトに掲載すれば、他院との差異化になり、集客の効率化にもつながるでしょう。
具体的にホームページから各種SNSにつなげるためには、例えばホームページのヘッダーとフッターに友達追加のCTAボタンを設けて、LINEから予約を気軽に取れる導線を作るという方法があります。他の医療機関でSNSをうまく活用しているホームページも参考にしながら活用法を検討してみてください。