最終更新:2025年7月
英会話やプログラミング、ダンスに料理…と、現代には資格取得をめざすものから趣味の世界まで、さまざまな教室事業が存在します。しかし、その全てが大盛況で満員御礼というわけではないのも現実です。いくら素晴らしい理念を掲げて教室を開いても、生徒が集まらないことには何も始まらないので、教室事業にとって生徒募集はとても重要な課題です。
今や何かを習おうと思い立った時に教室を探す手段としてまず利用されるのはWeb検索です。このWeb検索でユーザーの目に留まり、通ってみたいと思ってもらうことが教室事業成功の鍵となります。
そのためこの記事では、教室事業のホームページ制作での失敗例をもとに、集客に役立つホームページ制作のポイントについて解説します。ホームページはあるけれど全く反応がないとお悩みの方や、これから教室事業を始めようとお考えの方はぜひご一読ください。
教室事業のホームページ制作の失敗例
それではまず、教室事業のホームページ制作の具体的な失敗例について解説します。
ターゲットが曖昧で誰向けなのか分からない
誰に向けた教室なのかが曖昧なホームページでは、ユーザーが自分に合っているか判断できません。
教室によって子ども向け、大人向け、初心者向けなど、それぞれターゲットが異なりますよね。自分の教室のターゲット層に合わないホームページを作ってしまっては、目に留まってほしいターゲット層に刺さらず、集客にもつながりません。
例えば、子ども向けの英会話教室なのに、ビジネス英語のような堅い表現や写真を使ったホームページを制作しても、自分の子どものために英会話教室を探している保護者の目には留まらないでしょう。
まずは、自分の教室のターゲットはどんな層なのかをしっかりと確認して、そのターゲット層に合ったデザインやコンテンツを導入することが必要です。
スマートフォンで見づらい
近年では、Web検索をする際にスマートフォンを利用する人が多いため、スマートフォンで見た時に文字が小さかったり、ボタン操作がしづらかったりすると、ユーザーはストレスを感じてそのホームページを離れてしまう可能性があります。
また、スマートフォンに対応したデザインになっていない場合、スマートフォンの画面では一部の情報が見切れてしまい、スクロールしても見つけられないことがあります。例えば、教室事業のホームページで重要な料金や時間割などの重要な情報が見られずに、あきらめて離脱するという事態にもつながってしまうのです。
せっかくホームページを訪れてくれたユーザーを逃すことがないように、スマートフォンでも見やすく、操作しやすい設計にすることが必要です。
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スマートフォンユーザーに向けてホームページのデザインを調整する方法については、以下の記事で解説しています。
ホームページをスマホ対応にする重要性とは?パソコン版との違い
SEO対策がされていない
せっかくホームページを制作して公開したのに、Googleで検索しても自分のホームページがなかなか出てこないという方も多いのではないでしょうか。
ホームページを含むWeb上のコンテンツは、公開しただけで検索結果の上位に表示されるのではなく、SEO対策を行うことで徐々に上位に表示されるようになります。
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンでユーザーがキーワード検索をしたときに、自分の教室のホームページを上位に表示させるための対策です。特に教室事業の場合、自宅や勤務先から通いやすい場所を探しているユーザーが多いため、特定の地域に関連する検索結果で上位をめざす地域SEOが重要になります。例えば、「町田市 料理教室」や「中央区 英会話教室」といったように、地域名と教室のジャンルを組み合わせたキーワードで検索されたときに、自分の教室のホームページを上位に表示させることで、目に留まりやすくなり、ホームページへの訪問者が増えて集客につながりやすくするのです。
この地域SEO対策として、キーワードに地域名や教室名、ターゲット層につながるワードを設定し、タイトルやメタディスクリプションにも地域名を含めることが必要です。この対策が取られていないと、教室を探している顕在層の検索結果に表示されなる可能性が低くなるので、顕在層にアピールするためにもSEO対策は欠かせません。
情報が古いままで更新されていない
ホームページを作っても、公開後の情報の更新を怠ってしまっては、かえってユーザーの信頼を失ってしまうことにもつながりかねません。ユーザーが知りたいと思われる、教室の開校日や料金、講師の情報などが古いままで更新されていなければ、ホームページを訪れたユーザーが「この教室は大丈夫かな?」と不信感を持ってしまうでしょう。
これを防ぐためにも、ホームページの定期的な更新も必要です。最新の開校日を更新したり、ブログで近況をお知らせしたりすることも効果的です。更新日が直近であるほど、この教室は活発に活動しているのだなという印象を持ってもらえるでしょう。
料金が掲載されていない
ホームページを訪れるユーザーが知りたい情報の一つが、月謝や教材費などの料金についてです。教室を選ぶ際に料金はとても大きな要素となるはずです。その料金が明記されていないことによって、問い合わせや申し込みへのハードルが上がってしまう可能性があります。
月謝や教材費などの料金についてもわかりやすく掲載し、ユーザーが自分の予算に合っているかを事前に確認することで安心感を与え、問い合わせや申し込みをしやすい環境を整えましょう。
申し込みや問い合わせにつながる導線が分かりづらい
ユーザーが教室に興味を持ち、申し込みや問い合わせをしようと思った時に、どこから問い合わせをすればよいのか迷ってしまっては、「まぁ、いいか」とあきらめて離脱につながってしまう可能性があります。例えば、「体験レッスン申し込み」がフッターの小さな文字リンクだけにしかなければ、ユーザーはどこから申し込めばいいか分からずあきらめてしまうかもしれません。
少しでも興味を持ってくれたユーザーを逃さないために、申し込みや問い合わせのボタンは目立つ位置に設置しましょう。
教室事業のホームページ制作で押さえるべき基礎知識
ここまで教室事業のホームページ制作にありがちな失敗例をご紹介してきましたが、では失敗しないためにはどうしたらいいのか、教室事業のホームページ制作で押さえるべき基礎知識についていくつかご紹介します。
ユーザー目線でコンテンツ内容を考える
ユーザー目線とは、ユーザーの立場になって考え、感じることです。ユーザーがどのような情報やサービスを求めているのか、どのようなニーズを抱えているのかを理解し、それに基づいて行動することをさします。コンテンツ内容を考える際には、このユーザー目線がとても大切になります。
ユーザー目線で作られたコンテンツは、ユーザーにとって有益で魅力的なものとなるため、しっかりと読んでもらうことができ、その後の問い合わせや申し込みにもつながりやすくなります。
例として、子ども向けの英会話教室のホームページ制作について考えてみましょう。教室の経営者側からの目線だと、教室の理念や教育方針を押し出したくなるかもしれませんが、ユーザー目線で考えてみると、保護者が「うちの子が通っても大丈夫かな?」と不安に思う気持ちを解消して安心できるようなコンテンツが必要になります。その目線で考えると、例えば「英語が初めてでも大丈夫!」ということが伝わるように実際のレッスン風景の写真や動画を掲載したり、通っている生徒の保護者の声を載せたりなどのコンテンツが考えられます。
このように、真にユーザーに刺さる情報を掲載できるように、ユーザー視点を忘れずに制作するようにしましょう。
生徒を集めることを意識する
教室事業は生徒がいないと成り立ちません。立派な理念を掲げても、素晴らしい先生がいても、とても良いレッスン内容でも、生徒が集まらないと何も始まりません。
多くの人がWeb検索で情報収集する現代では、ホームページでの集客はとても重要です。そのため、教室事業のホームページを作る際には、集客に特に注力する必要があります。
具体的には、ホームページの構成はシンプルにして、ユーザーが知りたいと思われる「教室案内」「料金」「講師紹介」「アクセス」「体験申し込み」などがすぐ見つかるようなデザインや構成を心がけましょう。例えば、無料体験レッスンに気軽に申し込んでもらえるように、どこのページでも目に留まるような位置に「無料体験レッスンを申し込む」というボタンを設置して申し込みへ誘導したり、ターゲット層を明確にしてその層がよく利用しそうなSNSと連携したりなどの工夫も必要です。
適切なSEO対策をする
ホームページを制作して公開しても訪問者が少ないと、集客もあまり期待できません。自分のホームページを検索エンジンで上位表示させるために大切なのがSEO対策です。
SEO対策の中でも、集客に影響を及ぼしやすい対策はキーワード設定です。教室事業の場合、自宅や勤務先から通いやすい場所を探しているユーザーが多いため、特定の地域に関連する検索結果で上位をめざすためにも、適切なキーワードを設定して地域SEO対策を行いましょう。
例えば「地域名+教室名」をキーワードに設定し、タイトルやメタディスクリプションにもキーワードを組み込みます。子供向けの英会話教室であれば、「〇〇市 子ども 英会話」「〇〇区 英語教室 幼児」などの検索ワードを自然に入れたり、ブログで「子どもに英語を習わせるメリット」などの情報発信したりなど、適切なSEO対策を行いましょう。
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基本的なSEO対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
内部SEO対策の基礎知識
公開後の運用もしっかりと行う
ホームページは公開したらそれで終わりではありません。むしろ公開してからがスタートです。ホームページに掲載する情報は常に最新の情報にすることを意識し、ブログなどを利用して定期的に更新することで、活発な運営がされていることをアピールしてユーザーに安心感を与えることができます。
また、定期的な更新はSEO対策にも有効です。最初に設定したキーワードも、事業を続ける中で変化することもあります。その場合は事業の成長に合わせて適切なキーワードを設定し直して、ホームページにも反映させましょう。
事業内容別|ホームページ制作の際の工夫ポイント
ここからは教室事業のホームページ制作の際の工夫ポイントについて、事業内容別にご紹介します。
ホームページ制作においては、業種ごとにユーザーが求める情報や安心感のポイントが異なるため、それぞれの事業内容に合わせた工夫が必要です。
実際の企業ホームページを見たい方は、こちらから業種を絞って確認してください。
■ホームページ制作実績・見本はこちら
学習塾:生徒の合格実績と指導方法で差異化する
学習塾の場合、保護者や生徒が最も気にするのは「本当に成績が上がるのか」「志望校に合格できるのか」という点です。そのため、ホームページでも「〇〇高校合格者数〇名」のように合格実績を具体的な数字で示し、信頼感を高めることが重要です。
また、指導方法の違いや特徴をわかりやすく説明することで、他の塾との差異化が図れます。例えば、「個別指導で一人ひとりに合わせたカリキュラム」など、塾の特徴をアピールすると効果的です。他にも、保護者の声や生徒の体験談を掲載することで信頼感を得ることができるでしょう。
音楽教室:ターゲットとコンセプトに合わせたデザインを意識する
音楽教室の場合、子ども向け、大人向け、プロ志望向けなどターゲット層によって求められる雰囲気や内容が大きく異なります。そのため、ホームページのデザインはターゲットとコンセプトに合わせて制作する必要があります。
子ども向けなら明るく楽しい雰囲気、大人向けなら落ち着いた高級感のあるデザインなど、ターゲット層を明確にした上で、その層に合わせたものにすることを意識しましょう。また、レッスン風景の動画や講師の演奏動画などを掲載することで、教室の魅力を視覚的に伝えることも効果的です。
運動系教室:安全性と指導実績で安心感をアピールする
運動系教室では、子どもを預ける保護者にとって「安全性」が最も重要な関心事です。そのため、ホームページでは教室での安全対策(設備、保険、救急対応など)を具体的に紹介し、安心感を与えられるようなコンテンツを意識しましょう。
また、指導者の資格や経歴、過去の指導実績などを掲載することでも、信頼性を高めることができます。さらに、実際のレッスン風景の写真や動画を載せたり、保護者の声を紹介したりすることで、より確かな安心感を伝えることができるでしょう。
料理教室:講師のファンを増やす工夫を意識する
料理教室の場合は、講師の人柄や教室の方針が集客に大きく影響します。ホームページでは、講師のプロフィールや料理への想いをストーリーとして紹介するなど、講師のファンを増やす工夫が必要です。
また、SNSと連携して日々のレッスン風景やレシピを発信することで、教室の雰囲気を身近に感じてもらい、参加意欲を高めることもできます。さらに、生徒が作った料理の写真を掲載することで成果が見える形になり、参加意欲を高めると共に、参加者の満足度も自然と伝えられるでしょう。
美術系教室:趣味かプロ向けかを明確にする
美術系教室の場合、「趣味として楽しみたい人」と「プロをめざす人」では求める内容が異なるため、ホームページ上でその違いを明確にすることが重要です。初心者向けのコースとプロ志望向けのコースを分けて紹介し、それぞれに合った内容や指導方針を説明しましょう。
また、講師や生徒の作品を掲載したり展覧会の実績を紹介したりすることで、教室のレベル感を適切に伝えることも重要です。加えて、教室の写真や動画を掲載することによって、静かに黙々と作業をするのか、自由に絵を楽しむのか、技術重視なのかなど、教室の雰囲気を伝えることもできるでしょう。
語学教室:指導実績の高さや授業形態の豊富さで差異化する
語学教室の場合、指導実績の高さや授業形態の豊富さが差異化のポイントになります。ホームページでは、TOEICや英検などのスコアアップ実績を具体的に掲示し、成果が出る教室であることをアピールすることがポイントです。
さらに、オンライン・対面・マンツーマン・グループなど、さまざまな授業形態を選べることを明記することで、ユーザーが自分に合った形態を選べることもアピールできます。
また、講師の紹介も重要で、ネイティブ講師や日本人バイリンガル講師のプロフィールを詳しく掲載することで、安心感を与えることができます。
その他専門スキルの教室:専門性の証明ができる実績・資格をアピールする
プログラミング教室、Webデザイン教室、ライティング教室などを含むその他専門スキルの教室では、専門性の高さを証明する実績や資格の紹介が不可欠です。ホームページでは、講師が保有する資格や認定証、受賞歴などを写真付きで掲載することで信頼性を高めましょう。
また、受講後に取得できる資格やスキルを明記することで、学ぶ価値を具体的に伝えることができます。卒業生の活躍や企業との連携実績なども紹介することで、教室の社会的な評価を示すことも可能です
教室事業のホームページ制作における注意点
最後に、教室事業のホームページ制作における注意点について解説します。
著作権・肖像権のトラブルを避ける
教室の雰囲気などを伝えるために、受講生の写真や動画を使用することもあるかと思います。その際には、著作権・肖像権についても十分な注意を払わなくてはいけません。
例えば音楽教室の場合、レッスンの動画を掲載する際には、使用する音楽の著作権や動画に映っている生徒さんの肖像権があることを忘れないようにしましょう。これらの権利を侵害することがないように、事前に許可を取ることが必要です。
法的配慮(プライバシーポリシーなど)を怠らない
ホームページ内で、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を収集・利用する場合、プライバシーポリシーを掲載する義務があります。
個人情報をどのような目的で利用するのかを具体的に記載し、収集した個人情報を第三者に提供する可能性がある場合、その条件も明確に示さなくてはなりません。また、個人情報を適切に管理するための管理体制や、ユーザーが自分の個人情報の開示や訂正、削除を要求できる方法についても明記しておく必要があります。
プライバシーポリシーは、法律を遵守するためだけではなく、ユーザーとの信頼関係を築くためにも重要となります。なお、Cookieを利用してユーザーの行動を追跡し、サイトの利便性向上やマーケティングに活用する場合は、Cookieポリシーを設けて、ユーザーにどのような情報が収集されるか、またその情報がどのように使用されるかを知らせる必要があります。
ここまで失敗例をもとに、教室事業のホームページ制作のポイントについて解説してきました。教室事業にとってホームページは、生徒募集のためのとても重要なツールです。しかし、実際に集客できるホームページを制作する際には、おさえておくべきポイントや注意すべきポイントがたくさんあります。
「教室を開くのでホームページを作りたいけれど、何から始めたらいいかわからない」「今のホームページでは生徒が集まらない」などのお悩みを抱えている方は、この記事の内容を参考に、今一度ホームページの内容について検討してみてはいかがでしょうか。
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