ホームページを多言語化する5ステップ!切り替え形式や注意点も

最終更新:2025年5月

国内だけでなく海外市場への展開を狙う企業にとって、ホームページの多言語化はビジネスを展開していくための大きな武器になります。とはいえ、現状日本向けのホームページしか持っていないと、どのように翻訳をしたら良いのか、言語を切り替えるためには何をしたら良いのかと迷ってしまいますよね。
ホームページの多言語化には時間や費用がかかるため、事前に多言語化についての知識を深めてから開発を進めないと、無駄にコストがかかってしまう可能性もあります。この記事ではホームページの多言語化のプロセスや注意点を解説しているので、参考にして自社の売り上げにつながるような多言語対応を選択できるようにしましょう。

ホームページの多言語化が注目されている3つの理由

まずはホームページの多言語化が各業界で注目されている理由をおさらいしましょう。
「競合企業がやっているから」という理由ではなく、市場の動向や多言語化によるメリットをしっかり押さえて、自社に本当に必要な対応なのかを決める判断材料にしてください。

海外に向けて商品・サービスを展開しやすくなるため

日本語で作られた日本人向けのホームページよりも、各地域の言語設定ができるほうが、当然海外のユーザーとしては使いやすいホームページになります。加えて、日本語はほかの言語に比べても難易度が高いと言われているので、商品・サービスの質が高くてもその機能が正しく伝わらないということもあるのです。
そのため、今後海外に向けた事業展開を強化していきたいなら、狙った地域に合わせた言語設定をすることでより商品サービスを売り込みやすくなります。

外国人観光客を含めた新規顧客の獲得に活用できるため

日本から海外に向けた発信以外にも、日本に観光に来た海外の旅行客へのアピールとしても多言語化ホームページは有効です。特に日本食の料理店や日本の文化を紹介するアクティビティなどを経営・運営している場合は、効果を発揮しやすいといえます。
今や観光スポットや飲食店はパンフレットだけでなくインターネットでも調べる時代なので、多言語化対応をしていることで、パンフレットになくても海外ユーザーに対して観光向けのサービスであることを伝えられるのです。
新型コロナウイルス感染症が落ち着いたことにより外国人観光客も徐々に戻ってきているため、インバウンド需要に乗り遅れないためにも観光客を呼び込むきっかけを作っておきましょう。

ブランドイメージの確立や信頼感の向上につながるため

商品やサービスを購入する際に、そのブランドイメージや信頼感が決め手になるという人も一定数いますよね。そのため、ホームページを多言語化していることで、企業やサービスに対する将来性や積極性を感じて購入を決める人が増える可能性もあります。ホームページの多言語化は、海外のお客さまに向けたアピールが基本というイメージが強いですが、まわりまわって日本に向けたブランディングにもなるのです。
企業全体として今後は世界を視野に入れたブランディングをしていきたいのであれば、まずはホームページから変えてみるのもおすすめですよ。

何言語に対応すべき?ホームページを多言語化するパターン

ホームページの多言語化が注目されている理由を見て、自社のホームページでもやったほうが良いと思った方もいるのではないでしょうか。
しかし、たくさんの言語に対応しているホームページが良いかというと、必ずしもそうではありません。ここでは多言語化対応のよくある2パターンを紹介するので、ほかの事業者さまがどのような多言語化対応をしているのかを把握して参考にしましょう。

日本語/英語の2言語の切り替え

ホームページの多言語化対応で一般的なのは、日本語と英語の2言語で切り替えをするパターンです。
文部科学省の「総合的な英語力の育成・評価が求められる背景について」でも、英語は世界で最も影響力のある言語とされているうえに、世界のウェブサイトの60.5%で英語が使われているように、ウェブ上でも最も使用されている言語となっています。
そのため、あらゆる言語の中でも広い範囲の見込み顧客にアプローチできるので、何か特定の地域にアプローチしたい理由がないのであれば英語と日本語の切り替えがおすすめです。
※引用:文部科学省「総合的な英語力の育成・評価が求められる背景について」ウェブサイトにおいて最も使用されている言語

日本語/英語/中国語など3言語以上の切り替え

英語圏以外にアプローチしたい地域が明確にある場合は、英語とその他の言語で3言語以上の切り替えをすることも可能です。
特定の言語が決まっていても英語への翻訳を残しておく理由としては、先ほども紹介したようにインターネット上での英語の使用率がほかの言語に比べて圧倒的に高いためです。ターゲットを絞ることも大切ですが、絞りすぎて母数が少なくなってしまうのもリスクが高いので、「英語+他言語」というパターンにするのが無難といえます。
その他の言語の中では、日本への観光客数が多く世界でも話者が多い中国や、距離が近く流行が届きやすい韓国など、自社の商品やサービスのターゲットに合う言語を選んでみましょう。

準備から運用まで!ホームページを多言語化する5ステップ

ここからは、実際にホームページを多言語化対応するための方法を具体的に紹介します。
「開発を進めたいけど何から始めたら良いのかわからない……」という人は、この5ステップに沿って自社ホームページの多言語化対応を進めていきましょう。

ホームページを多言語化する目的を明確にする

具体的な作業を進める前に、まずはホームページを多言語化する目的を改めて明確にしましょう。例えば、「訪日外国人観光客の問い合わせや予約を増やすため」や「海外に向けて製品の機能アピールを拡大してビジネスを展開するため」のように、多言語化をした結果どのような成果を得たいのかを考えてみてください。
明確な成果目標がないと、必要のないページまで翻訳対応をして無駄にコストがかかったり、適切な翻訳やデザインができなかったりする可能性もあります。具体的な計画を立てる前に、改めて関わるメンバー全員でホームページの多言語化の目的をすり合わせましょう。

どの言語圏をターゲットにするか決める

目的が定まったら、どの言語に対応するホームページにするのかを決定しましょう。先ほども説明したように、英語への翻訳はマストで、その他の言語を加えるのか2言語の切り替えにするのかを検討するイメージです。
その他の言語も機能として追加する場合は、なぜその言語圏にアプローチしたいのか、その言語圏をターゲットとして利益につながるのかを再度分析するようにしましょう。切り替える言語を追加すればするほどコストはかかってしまうので、慎重に検討してください。

多言語化する方法を決める

翻訳する言語が決まったら、どのようにホームページの多言語化を進めるのか、具体的な方法の決定に入ります。
方法としては主に2種類で、既存のホームページに加えて新規で多言語に対応したホームページを作成するパターンと、既存のホームページに機能を追加して翻訳するパターンがあります。
それぞれのメリットデメリットを紹介するので、自社の商品・サービスに適した方法を選んでください。

①新規で多言語に対応したホームページを作成する

新規で英語などの言語に対応したホームページを作るメリットとしては、既存のホームページのコンテンツ内容に囚われずに情報発信ができるという点です。言語圏ごとにアピールしたい商品が異なるケースや、レイアウトも全体的に変えて訴求したいケースであれば、この方法を選ぶのがおすすめです。
しかし、当然新規で作成する場合は1サイト分の作成費用と時間がかかります。そのためリリースまでの期間や使える予算が十分にないと厳しいといえます。

【関連記事】
新規でホームページを作る際に、改めてホームページの作り方をおさらいしたいという方はこちらの記事がおすすめです。
初心者でもわかるホームページの作り方

②既存のホームページをもとにして翻訳機能を追加する

既存のホームページを大幅に作り変えなくても、翻訳機能を追加することで多言語化の対応をする企業も多くあります。言語の切り替えボタンをホームページのヘッダーなどに設置して、ユーザー自身で表示する言語を切り替えて翻訳したページを表示するイメージです。
この方法であれば既存のホームページに翻訳機能を追加すればできるため、費用や時間は最小限に抑えることができます。一方で、追加する翻訳ツールによっては言語ごとに発信する内容まで変えることが難しい場合もあるので、地域ごとにサイトをまるごと作り変えたい場合は新規作成をしたほうがイメージ通りの仕上がりになるかもしれません。

翻訳した言語に合わせたレイアウトに整える

適切にホームページの言語を翻訳できたら、ページ全体を見直してレイアウトが崩れている部分や不自然な翻訳がないかなどを確認しましょう。言語によって同じことを伝えるとしても使う単語数が異なることは多いので、改行や空白の大きさなど細かく見直してください。
この時、大幅にレイアウトが崩れている場合は、伝える内容や伝え方から改めて考え直さなければならない場合もあります。日本語でのニュアンスをうまく翻訳できないと商品・サービスの強みが伝わらなくなってしまう可能性もあるので、この調整はこだわって行いましょう。

海外のSEO対策をしながら適宜ホームページを更新する

ここまでのステップでホームページを翻訳できたら、実際に運用をスタートしましょう。
ホームページは公開することがゴールではありません。適切に運用して認知や問い合わせにつなげてこそ価値があるのです。
そして多言語化の対応をするということは、日本向けのSEO対策だけでなく海外のSEO対策も考慮する必要があります。ホームページのタグ設定やURL設定など、日本の対策とは異なることもあるので、対応する言語に対する対策を分析して対応を進めましょう。

【関連記事】
SEO対策には内部と外部の2種類があります。以下の記事でそれぞれの対策を解説しているので参考にしてください。
内部SEO対策の基礎知識
外部SEOとは

ホームページの多言語化を進める際の3つの注意点

ホームページを多言語化対応するための方法を簡単に紹介しましたが、「多言語化=ホームページの翻訳」だけだと思っている方は注意が必要です。ただ言語を日本語からほかの言語にするだけでは、ユーザーに不信感を持たれてしまう可能性もあります。
ここでは3つの注意点を紹介するので、作成の際はしっかり意識しましょう。

機械翻訳を信頼しすぎないようにする

ホームページを多言語化対応する際に、コストを抑えるために翻訳ツールを組み込む方も多いと思いますが、機械の翻訳を信頼してそのまま公開するのは避けましょう。
翻訳ツールは手間こそかからないですが精度が低いケースもあるため、必ず人の目でダブルチェックをするようにしてください。可能であれば英語ができる日本人だけでなく、現地の人や海外での生活経験が長い人にもチェックしてもらうとより自然な翻訳になるでしょう。

選択した言語圏の文化・慣習を踏まえた設計をする

日本にいると感じることは少ないかもしれませんが、国が違うと文化や慣習は大きく異なります。日本では特に問題ないとされている表現やデザインが、ほかの国では悪い印象になることもあるのです。
例えば、親指と人さし指でまるを作ったOKのハンドサインは、国によっては「無価値」や「ゼロ」という意味の表現になります。そのため、ホームページの中でOKのハンドサインをしたイラストを使用すると、国によっては悪い意味にとらえられてしまうのです。
このように、日本以外の文化や慣習を理解したデザインにしないと思わぬところでマイナスイメージになることもあるので、テキストだけでなくデザインにも注意して調整を行いましょう。

言語切り替えボタンの視認性も重視する

ホームページを多言語化するなら、ホームページ上のどこかに言語の切り替えボタンを設置することになります。この切り替えボタンのデザインは、ページ全体の使いやすさを左右すると言っても過言ではないほど重要な要素です。そのため、テキスト翻訳の正確性はもちろんですが、海外のユーザーが言語の切り替えボタンをすぐに見つけられるような工夫にもこだわりましょう。
具体的には、2言語で切り替える場合は「JAPANESE/ENGLISH」や「JP/EN」、「JAPAN/GLOBAL」などの表記ができます。3言語以上の場合はプルダウンなどを使用して、ユーザーに選択させる形式が良いでしょう。
日本人の目線だと「日本語/英語」と表記してしまいたくなりますが、英語表記が必要なユーザーに対して「英語」と表記しても伝わらないため注意してくださいね。

多言語化対応が効果を発揮しやすい3業界と活用のポイント

最後に、ホームページを多言語化することによって認知の拡大や顧客の獲得が期待できる業界を紹介します。
以下の3業界以外では効果が期待できないというわけではなく、わかりやすくアプローチできる顧客が増える業界として紹介しているので、各業界の活用方法を参考に自社のホームページにも取り入れてみましょう。

メーカー業界:海外にも製品の機能を適切にアピール

メーカー業界の大手企業は海外支部を持つ会社も多く、海外進出が活発に行われています。その中でほかにはない自社製品の強みを正しく伝えるためには、各言語圏に合わせたホームページの作成が必要になるのです。
特に日本のメーカーは安全性を高く評価されやすい傾向にあるので、多言語化対応をすることで、他社にはない徹底した品質管理をより理解してもらいやすくなるでしょう。すでに良い印象を持ってもらえているからこそ認知拡大を広めるチャンスなので、あまり海外に自社製品だけの価値を伝えられていないと感じている事業者さまは開発を検討してみてください。

飲食業界:日本食の魅力を観光客向けにアピール

日本食はすでに海外でも人気ですが、その土台があるからこそ、美味しさや盛り付けへのこだわりを発信することで観光客に魅力付けをすることができます。特に海外の観光客に人気な日本食であれば、食材へのこだわりをホームページで伝えることで宣伝効果が高まる可能性があります。
また、日本の接客も世界で評価されているため、接客のこだわりがある場合はその旨もアピールしてみましょう。自社ならではの接客で観光客に興味を持ってもらえるきっかけになるかもしれません。

エンタメ業界:日本独自の文化・エンタメを海外にアピール

日本の伝統芸能はもちろん、アニメやゲームなどのエンタメも海外で人気があるため、エンタメ業界もホームページの多言語化対応での利点が大きい業界といえます。
アニメやゲームだと作品自体が英語に翻訳されているものも多いので、コーポレートサイトなど基盤となるホームページの多言語化対応は必須です。あらたにこの業界に参入する企業は少ないかもしれませんが、業界全体で海外向けのプロモーションが活発なので、まだ対応ができていない事業者さまは早めに対応を進めましょう。


ホームページの多言語化対応について、全体的な対応の流れや注意点、活用のポイントを解説しました。自社のホームページを多言語化したくてもやり方がわからなかったという方も、この記事で全体像をつかめたのではないでしょうか。
とはいえ、実際に取り組むとなると「一人で進めるのが不安」というビジネスオーナーさまもいるでしょう。その際はぜひNTTタウンページにご相談ください。
デジタルリードでは、英語・中国語・韓国語の3言語の翻訳サービスを行っており、専門家のサポートを受けながらホームページをリニューアルすることができます。新規で各言語のホームページを作成したい方はもちろん、すでにある日本語のホームページを翻訳したい方もぜひ一度ご相談ください。


NTTタウンページでは、ホームページ制作・運用サービス「デジタルリード」をご提供しています。
2019年のサービス提供開始以降、累計45,000件を超えるホームページを制作・運用し、個人事業主、中堅・中小企業をはじめとした多くのビジネスオーナーさまにご利用いただいてきました(2025年3月現在)。
これまで培ってきたNTTグループの知見とノウハウを活かして、多種多様なサービスと充実のサポート体制で、忙しいビジネスオーナーさまのホームページ制作から公開後の運用に至るまで、責任を持ってサポートいたします。

デジタルリード(ロゴ)

ホームページ制作・運用サービス「デジタルリード」の特長

特長①
ホームページ制作・運用はNTTグループの専門スタッフがフルサポート!

特長②
さまざまな目的のホームぺージ制作に対応、デザインも洗練!

特長③
ネットショップ・予約機能など、ホームページでの成約に導く充実機能多数!

ホームページは"制作して終わり"ではなく、その後の集客や売上アップなど目的の「成果」につなげてこそ価値があります!
「インターネット・Webが苦手なのでサポートしてほしい…」
「競合に”勝てる”ホームページをめざしたい」
など、当社は全てのビジネスオーナーさまのホームページ活用に関するお悩み・課題に寄り添い支えます。
ぜひ、あなたのホームページの全てをお任せください!