最終更新:2025年8月
デジタル化社会において、飲食店が顧客を引きつけ、売上を伸ばすためにはWebを活用した集客が不可欠です。
Webでの集客方法の中でも、SNSが手軽な情報発信が得意な一方で、ホームページはSNSでは補えない多くのメリットを提供します。この記事では、飲食店のホームページ制作の重要なポイントを解説し、集客と売上向上につながるホームページの作り方をご紹介します。
飲食店にホームページが必要な理由
多くの人がインターネットで情報収集をする現代において、飲食店が顧客を獲得し、売上を伸ばしていく上でホームページは不可欠なツールとなっています。
まずは前提知識として、飲食店になぜホームページが必要なのかを解説します。
SNSよりも細かく情報を伝えられるため
SNSは速報性や拡散性に優れていますが、投稿できる情報量には限りがあります。店舗の雰囲気、こだわり抜いたメニューの詳細、生産者の紹介、季節限定の特別なコース内容、アレルギー対応、貸し切りの可否、座席の種類(カウンター席・テーブル席・個室など)、決済方法といった多岐にわたる情報は、SNSの投稿だけでは伝えきれません。
一方でホームページであれば、これらの情報を写真や動画を豊富に使いながら、体系的かつ詳細に掲載することができます。顧客は来店前に知りたい情報をじっくりと確認でき、安心して来店を検討できます。また、Q&A形式でよくある質問を掲載したり、ブログ機能を使って店舗の日常やイベントの様子を発信したりすることで、顧客とのエンゲージメントを深めることも可能です。
顧客の「検索→来店」の行動にスムーズに対応できるため
多くの人は、飲食店を探す際に検索エンジンやグルメサイトを利用します。その際、店舗名や料理ジャンルで検索した際に、検索結果としてSNSが出る場合と公式ホームページが出るケースがあります。
この時、ホームページがあれば、顧客は検索結果から直接店舗の詳しい情報にアクセスし、予約、テイクアウトの注文、問い合わせといった次の行動にスムーズに移行できます。SNSだけでは、店舗の基本情報は得られても、詳細な情報や行動への導線が不足していることが少なくありません。結果として、顧客が他の店舗に流れてしまうリスクも考えられます。
ホームページは、顧客の「検索→来店」という一連の行動をストレスなくサポートし、来店へと結びつける強力なツールとなるのです。
飲食店のホームページに欠かせない基本要素
飲食店のホームページは、単なる情報提供の場ではありません。新規顧客の獲得からリピーター育成、さらにはブランドイメージの構築まで、多岐にわたる役割を担う重要なツールです。
では、具体的にどのような要素がホームページには不可欠なのでしょうか。
顧客を引き込む「店舗情報」
顧客が最も知りたい情報は、やはり基本的な店舗情報です。店舗名に加えて、住所、電話番号、そして営業時間は明確に記載しましょう。特に住所は、インターネットの地図サービスと連携させ、ワンクリックで経路案内ができるようにすると利便性が向上します。駅からのアクセス方法や駐車場の有無など、交通手段に関する情報も詳細に記載することで、来店へのハードルを下げることができます
また、定休日がある場合は必ず明記し、臨時休業などの情報もリアルタイムで更新できる仕組みがあると良いでしょう。
文字情報以外にも、料理や店内の雰囲気、外観がわかる写真も掲載するのがおすすめです。顧客は来店前に店内の様子を知ることで、安心して訪れることができます。可能であれば、動画で店舗の雰囲気を伝えるのも効果的ですよ。
魅力が伝わる「メニュー・店舗のこだわり・コンセプト」
飲食店にとって、メニューは店の顔です。単にメニュー名と価格を羅列するだけでなく、写真付きで掲載することをおすすめします。料理の美味しさや雰囲気が伝わるような高品質な写真は、顧客の食欲を刺激し、来店意欲を高めます。アレルギー表示はもちろんですが、使用食材に関する情報も併せて掲載すると安心感につながるでしょう。
ランチとディナーでメニューが異なる場合はカテゴリ別に分かりやすく表示し、PDFなどでのダウンロードオプションも提供すると親切です。
また、他店との差異化を図る上で、店舗のこだわりやコンセプトを伝えることも重要です。使用している食材へのこだわり、シェフの想い、店の雰囲気、提供するサービスの特色などを文章や写真、動画で表現しましょう。これらの情報は、単なる飲食店ではなく、「特別な体験ができる場所」としての魅力を顧客に伝える役割を果たします。
予約・問い合わせをスムーズにするための「コンタクト・予約フォーム」
ホームページの予約・問い合わせ機能は、特に集客に需要な要素です。オンライン予約システムを導入することで、顧客は24時間いつでも好きな時に予約ができ、店舗側の業務負担も軽減されます。急ぎの問い合わせにも対応できるように、電話窓口とWeb予約フォームの2つを設置するとより親切でしょう。
また、問い合わせの質を良くするためには、よくある質問(FAQ)を掲載して顧客の多くが抱く疑問を事前に解消する方法もあります。問い合わせの量と質のバランスを良くして、効率的に集客するための導線を意識しましょう。
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そもそもどのような問い合わせフォームを設置すべきなのかわからないという方は、以下の記事で適切なフォームはどれか確認しましょう。
ホームページにおけるフォームの種類、役割とその重要性
また、飲食店ならではのよくある質問ページの作り方についても以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてください。
飲食店の「よくある質問(FAQ)」制作のポイントと事例
飲食店のホームページでありがちな失敗パターンと回避方法
飲食店にとってホームページは、お客さまにお店の魅力を伝え、集客につなげるための重要なツールです。しかし、せっかく作ったホームページも、運用方法を間違えると逆効果になってしまうこともあります。
ここでは、飲食店のホームページでよくある失敗パターンとその回避方法をご紹介します。
情報が古いまま放置→自分で簡単に更新できるCMS導入
「季節限定メニューの情報が去年のまま」「営業時間が変わったのに修正されていない」といった、情報が古いまま放置されているホームページは、お客さまに不信感を与え、お店のイメージを損ねてしまいます。
頻繁に情報を更新する必要がある飲食店にとって、ホームページの更新作業は負担になりがちです。この問題を解決するには、CMS(コンテンツ管理システム)の導入が不可欠です。CMSを導入すれば、専門知識がなくても管理画面から自分で簡単に情報を更新できます。日々のメニュー変更やイベント情報、営業時間の変更などをタイムリーに反映できる環境を整えることで、お客さまも常に最新の情報を得られ、信頼感向上にもつながるでしょう。
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CMSについてイメージが湧かないという方に向けて、こちらの記事で詳しく解説しています。
CMSとは?CMSの基礎知識やメリットや注意点などをご紹介!
スマートフォンで見にくい→モバイルファーストのデザイン設計
現代において、多くのお客さまはスマートフォンで飲食店の情報を検索します。しかし、パソコン版のホームページをそのままスマートフォンで表示すると、文字が小さすぎたり画像がはみ出したりして、非常に見にくい状態になってしまいます。ストレスなく情報を得られないホームページはすぐに閉じられてしまう可能性が高いので、ホームページを制作する際はモバイルファーストのデザイン設計を強く意識しましょう。
これは、最初にスマートフォンでの見え方を考慮してデザインし、その後にPC版のデザインを調整していく手法です。レスポンシブデザインに対応したテンプレートを選ぶ、あるいは専門の制作会社に依頼して、スマートフォンでも見やすく、操作しやすいデザインにしてもらいましょう。文字の大きさやボタンの配置、画像の表示方法など、細部にまで気を配ることで、お客さまの利便性を高め、来店意欲を向上させることにもつながるでしょう。
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レスポンシブデザインについては、こちらの記事で詳しく解説しています。基礎から理解したい人におすすめです。
【初心者向けに解説】基礎から学ぶレスポンシブデザイン
デザインばかりで中身がない→「伝えたい情報」にフォーカス
おしゃれなデザインにこだわりすぎて、肝心の「伝えたい情報」がどこにあるか分かりにくいホームページもよく見られます。「お店のこだわりが伝わらない」「メニューが探しにくい」「予約方法が分かりにくい」など、お客さまが知りたい情報が不足していたり、散らばっていたりすると、せっかく訪問してくれても離脱につながってしまいます。
そのため、ホームページ制作の際は、まず「お客さまに何を伝えたいのか」を明確にリストアップしましょう。お店のコンセプト、提供する料理のこだわり、おすすめメニュー、店内の雰囲気、アクセス方法、予約方法など、お客さまが知りたいであろう情報を整理し、それらを分かりやすく配置することが重要です。
美しいデザインも大切ですが、それ以上に「情報伝達」を最優先に考えましょう。写真や動画を効果的に活用したり、お客さまの声を紹介したりすることで、お店の魅力がより具体的に伝わり、来店への後押しとなるでしょう。
飲食店がホームページを制作する前にやっておくべき準備
飲食店のホームページは、単なる情報発信ツールではありません。集客、ブランディング、予約受付など、ビジネスを成長させるための重要な役割を担います。
しかし、いざ制作に取り掛かろうとしても、何から手をつけていいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。ホームページ制作を成功させるためには、事前にしっかりと準備をすることが不可欠です。
ここでは、飲食店がホームページを制作する前にやっておくべき3つの重要な準備について解説します。
ターゲット顧客の明確化
ホームページ制作の第一歩は、誰に情報を届けたいのか、つまりターゲット顧客を明確にすることです。性別、年齢層、職業、趣味、ライフスタイル、そして彼らが飲食店に何を求めているのか、例えば価格や雰囲気、料理の種類、立地、サービスなど、具体的にイメージしてみましょう。
ターゲットが明確になることで、ホームページのデザイン、コンテンツの内容、使用する写真や言葉遣いなどが自然と決まってきます。例えば、若い女性層をターゲットにするなら、おしゃれでSNS映えするデザインやメニューの魅力を前面に出したコンテンツが効果的でしょう。一方、ビジネスパーソンをターゲットにするなら、ランチメニューの充実さや個室の有無、アクセス方法などを分かりやすく提示することが重要になります。
ターゲット顧客を明確にすることで、彼らの心に響くホームページを制作し、効果的な集客につなげることができます。
競合サイトのリサーチ
次に、競合他社のホームページを徹底的にリサーチしましょう。同じ地域やジャンルの飲食店がどのようなホームページを制作しているのかを確認することは、自社のホームページの方向性を定める上で非常に役立ちます。
具体的には、デザインとレイアウト、コンテンツの内容、写真の質、予約システムの有無、そしてSEO対策といった点に注目してリサーチを進めてください。競合サイトの良い点を取り入れつつ、自社の強みを際立たせるための優位性ポイントを見つけることが重要です。
写真・文章素材の準備
ホームページは視覚情報が非常に重要です。特に飲食店の場合、料理や店舗の魅力が伝わる高品質な写真は、顧客の来店意欲を大きく左右します。ホームページ制作に取り掛かる前に、プロのカメラマンに依頼するなどして、料理、店内、外観、スタッフなどの写真を十分に準備しておきましょう。スマートフォンの写真では伝わりにくい、料理のシズル感や店の雰囲気を表現できるような写真素材が理想です。
また、写真だけでなく、店舗のコンセプト、メニューの説明、こだわり、お知らせ、アクセス方法など、ホームページに掲載する文章素材も事前に準備しておく必要があります。ターゲット顧客に響くような、具体的で魅力的な文章を作成しましょう。文章を考える際は、お店の雰囲気やターゲット層に合わせたトーン&マナーを意識することが大切です。
飲食店だからこそ! ホームページ制作後に大切なこと
ホームページは作って終わりではありません。特に飲食店の場合、情報の鮮度が重要であり、お客さまとの接点を増やすための戦略的な活用が求められます。ここでは、ホームページ制作後に飲食店が特に力を入れるべきポイントを解説します。
ホームページの更新頻度の確保とその方法を定める
飲食店のホームページは、常に新しい情報を提供することで顧客の興味を引きつけ、来店を促す重要なツールです。期間限定メニューや季節のおすすめ、イベント情報など、鮮度の高い情報をタイムリーに発信しましょう。
更新頻度を確保するためには、誰が、いつ、どのような情報を更新するのかを具体的に定めておくことが不可欠です。例えば、週に一度はランチメニューの更新、月に一度はキャンペーン情報の追加など、担当者とスケジュールを明確にしておくと良いでしょう。
また、専門知識がなくても簡単に更新できるよう、CMS(コンテンツ管理システム)の導入や、外部のウェブ制作会社との保守契約も検討すると良いでしょう。
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更新頻度の比較なども含めて制作会社の選び方に迷う方は、以下の記事も併せて確認しておきましょう。
ホームページ制作会社の選び方
各種サービスやSNSと連携する
現代の集客において、ホームページ単独での運用では限界があります。グルメサイトやSNSと積極的に連携することで、より多くの潜在顧客にアプローチできます。ホームページには、これらのサービスへのリンクを分かりやすく設置し、逆にSNSのプロフィール欄や投稿からもホームページへ誘導する動線を確保しましょう。
例えば、SNSで新メニューの写真を投稿し、詳細はホームページで確認できるようにすることで、相互のアクセス数を向上させることができます。また、オンライン予約システムやテイクアウト・デリバリーサービスとの連携も、顧客の利便性を高め、売上向上に直結します。
定期的なアクセス解析と改善を繰り返す
ホームページは公開したら終わりではなく、常に改善を繰り返すことでその効果を最大化できます。アクセス解析ツールを導入し、定期的にデータを分析しましょう。
アクセス解析では、どのようなキーワードで検索されているか、どのページが多く見られているか、どこからの流入が多いかなどを把握できます。例えば、特定のメニューページへのアクセスが多い場合は、そのメニューをさらにアピールする施策を考えたり、アクセスが少ないページは内容の見直しを検討したりするなど、データに基づいた改善を行うことができます。
これらの分析結果を基に、コンテンツの追加や修正、デザインの変更などを継続的に行うことで、顧客にとってより魅力的なホームページへと育てていきましょう。
飲食事業のホームページ制作のポイントを紹介しました。ホームページの存在意義がわからなかった方も、メリットと活用方法を理解して、自社に活かせるホームページのイメージが湧いたのではないでしょうか。飲食店がホームページを制作する前にやっておくべき3つの重要な準備を参考に、自社の魅力を最大限にアピールできるホームページを作成してみましょう。
そして公開後も、アクセス分析、情報更新、SEO対策、SNS連携、メールマーケティングで集客を強化することで、よりホームページを生かすことができるようになります。個々の飲食店ごとに工夫すべき点は異なるため、もし不安な方はNTTタウンページにご相談ください。ホームページやWeb集客の専門知識を持った担当者が丁寧にサポートいたしますので、今後ホームページの作成をご検討されている事業者さまはお気軽にお問い合わせください。
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NTTタウンページでは、ホームページ制作・運用サービス「デジタルリード」をご提供しています。
2019年のサービス提供開始以降、累計45,000件を超えるホームページを制作・運用し、個人事業主、中堅・中小企業をはじめとした多くのビジネスオーナーさまにご利用いただいてきました(2025年3月現在)。
これまで培ってきたNTTグループの知見とノウハウを活かして、多種多様なサービスと充実のサポート体制で、忙しいビジネスオーナーさまのホームページ制作から公開後の運用に至るまで、責任を持ってサポートいたします。

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特長②
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特長③
ネットショップ・予約機能など、ホームページでの成約に導く充実機能多数!
ホームページは"制作して終わり"ではなく、その後の集客や売上アップなど目的の「成果」につなげてこそ価値があります!
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この記事の著者

NTTタウンページ Webマーケティングチーム
全員がウェブ解析士資格取得。同社にてWebマーケティングの他、ホームページ制作・営業・CSM(カスタマーサクセスマネジメント)など、幅広い業務経験を積んだメンバーにより構成され、ビジネスオーナーさまのホームページ制作・運用やWebマーケティングに役立つ情報を発信しています。
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